凶悪犯罪対策部

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      ―●―  「…理不尽だ」  トワルが、聞こえるかどうかわからないくらいの声で呟いた。  目だけを動かして、親友を見る。おそらく、ウルアさんの事を言っているのだろう。  確かに、理不尽だった。  しかし、今はそんな場合ではない。犯人を捕まえれば、詳細はすべてわかることだ。  ふっと、今回送られてきた"刺客"たちを見た。  明らかに、初めて送られてきた人間よりも強そうだ。  自分の隣にいる人間と比べれば何も大したことはないが、それでも徐々に強い人間を送り込んできている。  (敵は…焦っている?)  これまで敵は"刺客"を何度となく送ってきたが、最近では頻度が狭まってきている。  前は多くても一ヶ月に二人くらいだった。これも、どちらかといえば多い方ではあるが…。  しかし、ここ一カ月半くらいは毎日のように送られ、床に積まれていく。しかも、一度にたくさん送ってきたことはなかった。必ず、一人か二人くらいだ。
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