22人が本棚に入れています
本棚に追加
―●―
「…理不尽だ」
トワルが、聞こえるかどうかわからないくらいの声で呟いた。
目だけを動かして、親友を見る。おそらく、ウルアさんの事を言っているのだろう。
確かに、理不尽だった。
しかし、今はそんな場合ではない。犯人を捕まえれば、詳細はすべてわかることだ。
ふっと、今回送られてきた"刺客"たちを見た。
明らかに、初めて送られてきた人間よりも強そうだ。
自分の隣にいる人間と比べれば何も大したことはないが、それでも徐々に強い人間を送り込んできている。
(敵は…焦っている?)
これまで敵は"刺客"を何度となく送ってきたが、最近では頻度が狭まってきている。
前は多くても一ヶ月に二人くらいだった。これも、どちらかといえば多い方ではあるが…。
しかし、ここ一カ月半くらいは毎日のように送られ、床に積まれていく。しかも、一度にたくさん送ってきたことはなかった。必ず、一人か二人くらいだ。
最初のコメントを投稿しよう!