凶悪犯罪対策部

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 ここまで整理して、私は頭痛を覚えた。  今思えばこれほど厄介なものを、いくら命令だったとはいえよく引き受けたものだった。  挑発され、すっかりやる気になったはいいものの、隊舎に帰ってすっかり隊全員から文句を言われた。  「…この事件を任されてから」  トワルがふと呟いた。ぱっと彼の顔を見る。  トワルは言うのをためらっているのか、視線を宙に浮かしたまま再び黙り込んでいた。  「…続けてください」  私がそう言うと、彼はまだためらいながら言った。  「もう一ヶ月と半月は経ってる。このままじゃ、担当を外されるどころか階級だって下げられちまうぜ」  そう言われて、自分の胸元を見やった。ダイヤをかたどったバッジが二つ。それは、小隊クラスの隊長であることを示している。
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