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空はどんより曇り空。
今にも雨が降り出しそうな空模様。
「ったく、なんだって昼までは晴れていやがったのに、俺達が外出たら曇りやがる!」
涼しげな目元をし、艶やかな黒髪を一つに結い上げた美丈夫が、空を見上げ不機嫌そうに呟いた。
「んな事言うなよ、土方さん。島原もすぐそこだし、楽しく行こぜ」
「そうだぜっ!なんたって今日は新八の奢りだしな」
「はあっ!?おい左之!てめー、いつ俺がんな事言ったよ?」
「ちっちぇ事言うなよ、し・ん・ぱ・ち!」
二人は人目も憚らずに、道でぎゃあぎゃあと騒ぎ出した。
「……はあー。てめぇらは、少しくれぇ静かに出来ねぇのか?」
ため息と共に、ギラリと視線を連れの男二人に移すと、
「「ひぃっっ!!!」」
二人は、美丈夫の刺すような視線に青くなって小刻みに震え出す。
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