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この三人こそ、動乱の日本を生きる男達-京都守護職新撰組-の副長と幹部二人だった。 がっちりした体型ながら、爽やかな雰囲気を持つ男、二番隊組長永倉新八。 着流しをはだけさせ、無造作に髪を結び任侠者のような雰囲気を漂わせた十番隊組長原田左之介。 そして、誠の旗の本に忠義を誓い組の為、近藤勇の為に鬼となった副長土方歳三。 日々の隊務に区切りをつけ、島原に繰り出す三人であった。 「それにしてもよぅ、総司のやつ誘ってやったのに今日も来ないんだとよ。女に興味ねぇってのも、どうなんだか」 原田が頭の後ろで腕を組み、呆れた様に呟いた。 「ふっ。お前みたいに飯と女の事しか頭にねぇのも、考えものだがなっ」 土方が鼻で笑いながら原田に毒を吐き、永倉はその隣りで神妙に頷いていた。  
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