プロローグ

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「まただ…。」 私は自分の人差し指と中指の間にあるタバコを確認するとため息をつく。 もう一人の私は余程タバコが好きなようだ。 「うわぁ。タバコ臭い。 もう、学校では我慢してよねー。」 私は周りを見渡す。 確か4時限目まで授業を受けた記憶があるからお昼休みからもう一人の私が出てきたのだろう。 左手の腕時計を見ると午後からの授業の5分前だった。 「ていうかここドコだよ…。」 学校の裏山? 一応隠れて吸ってくれてるのね。 私は立ち上がるとスカートに付いた草を払った。 絶対今からじゃ5時限目は間に合わないだろうな。 ああ、いろいろとめんどくさい。 私は自分の身に覚えのないタバコを地面に押し付けて消すと諦めて教室に戻るために歩き出した。
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