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八月中旬のキツい日差しの中を、二人の少年がアイスを片手に学校に登校していた。
普通なら夏休みで学校が休みのこの期間に、部活もしていない二人が登校している理由は単に学校から呼び出されたからである。
「純也、これで何回だっけ?呼び出し食らうの」
赤黒い髪の少年、冬月龍二は隣にいる金髪の少年、前川純也に、気だるそうに聞いた。
「さぁ、数えてないし…ていうか、よく停学にならないな。懐がでかいのかね、ウチの学校は」
「お前はともかく、巻き添えで停学は笑えない」
食べ終わったアイスの棒を置いてあったゴミ箱に投げ入れて、龍二は軽くため息を吐いた。
そして、軽く頬を擦る。
痣はないが、口の中が切れている。
純也も顔や腕に痣を作っている。
その理由は、喧嘩によるものだった。
勿論、それが学校に漏れたので、こうして学校に足を運んでいるのだが。
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