第一章

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しかし、純也のその真っ直ぐな考え方自体は、かなり好感を持てる(喧嘩は別)。 悩んでいると、純也のその考え方が羨ましいと思うことも、しばしある。 「褒めるなよ、照れるだろ」 「心を読むな」 「わかった」 さて、そんな馬鹿をやっていたら、学校の校門が見えてきた。 「なぁ龍二、校門の前にいるのは誰でしょうか」 純也は顔を青く変色させながら、校門の前に立っている筋肉達磨を指さした。 「ゴリ松じゃん、何?今回の指導者って、あいつ?」 「うっわ……最悪」 純也が隣で頭を抱える。 何故なら、純也とゴリ松…もとい堀松先生は、以前に純也の授業態度で口論の末に、ちょっとした喧嘩に発展。 ゴリ松は、それ以来純也を目の敵にしているのだ。 「あいつ、過去を引きずりすぎなんだよ。こっちは何も思ってないのによ~!」 元々は、純也が授業中にいびきかいて寝るのが原因なので、自業自得なのだが、まぁ…確かにゴリ松はしつこい。 純也が嫌いなのかな。 「うわ、俺ってば嫌われ者~!」 なんて純也の嘆きを隣に、もう校門に着いた。
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