ベランダ

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僕が彼女と初めて出会ったのは中学二年の冬だった。あったその日、僕のすぐ目の前で自己紹介するその声がその顔をすこし赤らめながら『東京から来ました。赤間ゆいです。よろしくお願いします』と頭をさげる彼女が僕には衝撃的だった。みるみる僕の胸のところは熱くそして速く動き始める。きずけば目を奪われてしまっていた。僕は自分のこの胸の高鳴りが苦しみがなにかわからず、どうしようもなくただただ机の上にある参観日のプリントに目を移すのが精一杯だった。それからすぐ彼女は僕の隣の空いている席にゆっくりと歩いてくる。そしてふーっと一呼吸してゆっくりと座った。僕はチラッと彼女の方を向いてまたプリントに目を向ける。それがゆいとの出会いだった。
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