ベランダ

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ベランダ

六階建ての社員寮の五階からタバコを吹かしながら博多の街を眺める。街を歩くある人は満面の笑顔で笑い、またある人は泣きながら暗闇へと消えてゆく。いつからだろうか…仕事が終わってはベランダに足をはこび煙をあげて外を眺めるようになったのは… 仕事はうまくいっていると僕自身思う。周りからみると一流企業に就職出来て羨ましいがられているかもしれない。しかし僕自身この環境がこの生活がつまらなく感じていた。また一口煙を肺いっぱいにふくんでゆっくりと吐き出した。ここから飛び降りたら少しはこの心に引っかかったなにかはなくなってくれるだろうか。いつも体を乗り出しては足がすくみ、バッと足を後ろへ引く。僕はゆっくりと目を閉じてあの日のことを思い出した…
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