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「なぁ、柚月(ゆづき)もやろうぜ。絶対面白いって!!」
中学の時から同じクラスの悪友が、見ろとばかりに携帯を押しつけてくる。
俺は嫌々、携帯の画面を見た。
何かのゲームが起動されているらしく、画面には一面緑色の草原が映し出されている。
「……俺、あんまりゲームに興味ないんだけど」
俺は押しつけられた携帯を本来の持ち主に返した。
「そんなこと言わずにさ~。ちょっと登録するだけでいいからさ」
「はぁ?絶対に嫌だ」
俺には何故ヤツがそんなに熱心に薦めてくるのかわからずに、あっさり断った。
「柚月~。そう言わずにさ~」
尚も諦めない悪友に、ため息を吐きたくなる。
(まるでスッポンみたいな男だな)
一度噛みついたら、絶対に離さないだけにタチが悪い。
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