紅炎の向こうにある光

時雨

時雨は今年四月、ここ、都立藤宮高等軍校に編入した。

もともと彼は高専、国立東京戦闘兵器高等専門軍校に一年いた。

昔は国立高専といえばオタクの巣窟、就職率最強、専門技術がしっかり学べる、みたいなイメージがあった。今でも国立高専といえばこの地域では九王子東高校並のエリート軍校だ。

違うのはやっぱり卒業までに最低でも五年かかること、機動兵器を管轄してること(普通の公立軍校にはあまりない)、卒業時に短大卒の資格がつくこと、あと階級がすぐあがる、つまり出世しやすいのだ。

なんと卒業時には将官になっている人もいる。普通は将官には大軍校に行かないとなれない。高校を卒業できれば普通は一尉、人によっては一佐までいくが絶対に将官にはなれない。

だが高専は三年で佐官になる人もいたりする。