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着いたその日の夜、私の家の駐車場で、
おじさんや、従姉妹たち、私、彼で、
円になって飲んだ。
1番上の従兄弟が、私の元カレについて聞いてくる。
私はあまり話したくはなかったが、素直に答える。
彼は私の向かいに座っていた。
私はできるだけ、彼を見ないようにした。
なぜだか分からないが。
「ビールが足りない。買ってきて。」
私の従姉妹が彼に言う。
彼はバイクで行くようだ。
彼が門を出て、振り返った。
手招きをしている。
私は顔色を変えず、彼の方へ向かった。
彼はバイクの後ろの席を叩いた。
(あぁ~、行こう、と?)
私はバイクを跨いだ。
懐かしい。
5年前も、おじさんが運転するバイクに
彼と乗ったなぁ。
そう、
THE 三人乗り。
風を切る。彼の匂いが風にのってくる。
バイクは気持ちがいい。
彼の後ろも心地がよかった。
やはり、優しい背中だった。
飲みに飲み、0時を回る。
彼は次の日学校だ。帰るようだ。
私もあまり遅いと、鬼ママに喚かれる。
皆におやすみの挨拶をする。
門を出ようとした彼が、また私に向かって
手招きをしている。
私は、何かを期待しながら、
しかしどこか怖い気持ちも持ちながら、
彼の方へ向かった。
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