-誓い-

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門を出ると、彼が突然、私の手を取る。 私は彼を睨むように見つめた。 彼の事は好きだ。 だけど何か、留学する身からしたら、 ここで恋に落ちて、短い間だけ、 なんて事になったらいやだったから。 だから、そっけないそぶりをしていたのだと思う。 「会いたかった?」 彼が聞く。 私は「ぁぁ、うんうん」と答えた。 後ろを向いて、逃げるように門を開けようとした。 しかしすぐ捕まる。 (あぁ、だめだ。逃げれない。) 私は、 彼からも、 そして恋に落ちそうな自分自身からも 逃げられなかったのだ。 そう、「また」 なのだ。 彼はいつも私のそばにいた。 彼の隣は安心する。 9年前は、ただ単に彼の隣は楽しいもので、 5年前は、隣にいると、笑顔になれた。 今は、「安心」を彼の隣にいると感じれる。
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