-誓い-

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時が流れ、帰国の日が来る。 家を出る頃、涙をずっと堪えていた私は、 突然ぶわっと感情が湧き出てきた。 彼と離れるのが寂しいだけじゃなく、 そこにいる子供たちや、家族の事も含めて、 色々考えていたら、涙が止まらなくなった。 彼はずっと私を抱きしめ、頭を撫でていた。 私は彼の胸で泣いていた。 あまり勘違いしてほしくないな、 と思いながら。 従姉妹と彼が見送りについてきた。 私たちの乗る車が段々と空港へ近づく。 彼の顔が曇りだす。 着いてしまった。 皆、車を降り、最後の挨拶。 おじさん達とハグ、従姉妹とハグ。 母も皆に挨拶をしている。 私は最後に彼とハグをした。 そして、母が横にいるにも関わらず、 私たちはキスをした。 今考えると、、、 よくあの場でキスできたな、と思う。 彼は私の鬼ママをすごく怖がってるから。 もう涙は流さなかった。 彼らの車が去り、見えなくなる。 私は車に向かって、笑顔で手を振った。 彼は、 、、、知らない。 だってスモークかかってて真っ黒なんだもん。 私、スモークがかかりまくった車に 手を振り、投げキッスしてた。 なんか淋しいね。 空港で飛行機を待っている時、ケータイでFacebookを開いた。メールが一通。彼からだ。 すごい長文だった。 私に対する想いや、彼の気持ち。 嬉しかった。 今度はきっと終わらずにいける、 そう思った。 彼の背が、私よりはるかに高くなっていた、18歳の冬の物語だ。
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