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あれは今から約9年前のこと。
私は3年ぶりに、母と共に、彼女の故郷で小学4年生の夏休みを過ごそうとしていた。
母の実家に着くなり、玄関先で近所の同年代の子供達が、外国人だ、珍しい、と言わんばかりに、質問攻めをしてくる。
「Cat, in Japanese?」 「NEKO!」
「How old are you?」 「9!」
その子供達は、今まで出会ったことのない人種であった。、うるさい、しかし明るく楽しい。
日も落ち、子供達はお家へ帰る時間だ。
いやしかし、誰だこいつ。
この男の子はなぜだか、まだ私の隣にいる。
従姉妹が彼について詳しく紹介してくれた。彼は、同い年だそうだ。私より背が低い。彼は、母の家の隣に住んでいるらしい。
次の日も、またその次の日も、私は従姉妹やその友達、そしてあの男の子とたくさん遊んだ。
けんけんぱ、縄跳び、鬼ごっこ、小学生は元気だ。
ある日、あの男の子が私を外に呼び出した。
何かを手に握っている。赤い紐のようだ。
彼はそれを私に差し出した。
赤い紐や、花のビーズを使って作ったブレスレットだ。
手づくりらしい。
器用だな。私、絶対作れない、まずそう思った。
男の子は私の手首につけてくれた。
私はそれまで、こんなsweetな男の子には出会ったことがなかった。
そしてこの頃から、私たちは気づきだした。
好き、なのかも。
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