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楽しい時間というのは、
あっという間に過ぎていくものだ。
私の帰国が翌日に迫る。
帰国前日の夜、私は従姉妹の家にいた。
あの男の子と他の友達と、リズムにのせ、手を使ったゲームをしていた。1番に抜けた者は、ビリに命令をする。
まぁ、普段やらないもんだから、負けますわな。
よく1番で抜けていたのは、4才上の従姉妹。
私や、彼に意地悪な命令を与える。
私が彼の手の甲にキス、
私が彼のほっぺにキス。
もちろんその反対も。
ここの子供たち、ませてるな。
え、私が遅いの??
私は、彼のほっぺにちゅーをする。
彼は、私のほっぺにちゅーをする。
私と彼、2人で立ち上がり、
相手の肩、腰に手をやり、ダンス。
私は何やってんだ、
心からそう思った。
しかし、この時点で、私たちはお互いを
大切な存在と認識していた。
まだ小学4年生だ。
付き合う、なんてのはないが、
大切な友達であり、淡い恋の相手であった。
私は日本へ帰り、自分の世界へ戻っていった。
彼もまた、彼の世界へ。
今から9年前、彼がまだ私より背が低かった、私たちが9歳の時の物語だ。
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