184人が本棚に入れています
本棚に追加
「ほら、こっちだ…陸也」
俺は、冬樹さんの言う方に進んで行く……。
リビングについて、さらに驚いた。
『わぁ……、キレイ…♪』
男、一人で住んでるとは思えないほどきれいに片付いていた。
冬樹さんって、家事もできるんだな…
俺はそう思った。
冬樹さんは俺に一枚の写真を見せてくれた。
その写真は、俺が持ってる物と同じだった。
「やっぱりか……。」
冬樹さんは確信を抱いたように言った。
『やっぱりって、何がですか?』
「俺が、お前の兄貴って事だ」
『…………兄貴……。本当に?』
「ああ」
笑顔で、冬樹さんはそう言った。
俺は、信じられなくて何度も聞いた。
だってもう俺には、血の繋がる奴なんかいないと思ってたから…
凄く、驚きだ。
それと同時に、俺の心の中の何かが埋まったような気がした。
それから、俺は兄貴という冬樹さんにあることを聞いた。
それは、俺の両親の事だ。
どうして俺に、両親の記憶がないのか?
冬樹さんは、重々しくも口を開いた。
・
最初のコメントを投稿しよう!