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その後もエルザはたどたどしくではあるが自分のペルソナの説明を続けていた。
たまに手元の小さな紙片を見つめていたがあれはカンペだろうか。
「へー。それじゃ結構戦力になりそうじゃん!」
順平は無駄に嬉しそうな声ではしゃいでいる。
「でも俺としてはもっとエルザちゃん個人のことが聞きたいナー」
その時いきなり美鶴が怒鳴った。
「伊織ッ!」
順平は訳も分からず硬直している。
でもそれは順平だけではない。
ゆかりも風花もアイギスも天田もコロマルでさえも目を丸くして驚いていた。
「伊織、怒鳴ってすまなかった」
「いいんでス、美鶴サン。ここに住むナラきちんと説明しておきタイでス」
エルザは少しの間俯いていたが、やがて意を決したように顔を上げる。
「みなサン、聞いてくだサイ。……アタシの記憶は失われていマス。今年に入ってからの記憶しかありません」
またも部員たちは驚愕する。
「それは記憶喪失ということですか?」
アイギスが発言に美鶴が対応する。
「簡単にいえばそうだな。……しかし原因が分からないんだ」
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