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「そう、その通りだ。影時間が無ければ奴らは存在できない。ということはだ。影時間はどこかに残っている。そう考えて間違いないだろう」
「そ、そんなっ!一体どこに影時間がっ!?」
美鶴はエルザを見やる。
「おそらくは月光館学園だ」
エルザは美鶴に促されるようにして話し始める。
「アタシは誰かに呼ばれたんでス。気付いたらどこかの部屋にいましタ。どこにも窓が無かったのデ、多分地下だと思いまス。そこで黒いモヤモヤ……シャドウっていいましたッケ、それに襲われたんでス。そこからはあんまり覚えてないんですガ、目が覚めたら美鶴サンのバイクに乗せられていましタ」
美鶴が後を継ぐ。
「私がこの子を見つけたのは偶然だった。学園に用があって夜遅くに訪ねたんだ。そして校門前に倒れていたこの子を発見した。すぐに病院に連れて行き、落ち着いてから話を聞いてみると、恐らくはシャドウのこと、それとこの子がペルソナを使ったらしいことが分かったんだ。その後の検査で高い適性があることも分かっている」
アイギスが手を挙げる。
「では影時間の発生場所は学園だと?」
美鶴は首を振ってから寮のメンバーを見渡す。
「学園は学園だがキミ達がいつも使用している教室や実習室ではない。伊織、キミは月光館学園の地下施設を見たことがあるか?」
いきなり話を振られ順平は目を白黒させている。
少しの間の後質問の意味が分かったようで考え始める。
「んー?地下施設ッスかぁ?……いやー知らないッスねー。そもそもあのガッコに地下なんてありましたっけ?風花ー、知ってる?」
「へぇっ!?」
順平のいきなりのキラーパスに風花は間の抜けた声をあげる。
「え、えっと……私も聞いたこと無いです……。地下に降りる階段すら見たことないよ。ねっ、ゆかりちゃん」
「えっ!?」
今度は私っ!?
こうなってくるともうキラーパス合戦である。
美鶴が見かねて制止するのも当たり前であった。
「もういい。……全員知らないんだろう?」
四人と一匹はしゅんと頭を垂れた。
ってコロマルは知らないの当たり前じゃん。
アンタは落ち込まなくてもいいのに。
アイギスだけは知っていたようでひとり堂々と胸を張っていた。
どこか満足げである。
「そんなに落ち込まなくてもいいさ。私も調べるまでは知らなかったくらいだ」
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