闖入者、それは少女。

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美鶴は自分を責めた。 そんなっ、センパイだけのせいじゃないのにっ! 「なーに俯いちゃってるんスかぁ、センパイ?」 順平がわざとおどけたような声を上げる。 「予想できないことって誰にでもあるもんでしょ!それよりも!……特別課外活動部再始動ッスかーっ!テンション上がるぅー!」 「ふふ。そうだね。ちょっと楽しくなってきたかも」 風花が顔を綻ばせて言う。 「ちょ、ちょっとアンタ達ねー……」 余りにも空気の読めない順平と風花の発言にゆかりはたまらず待ったをかける。 ちょっとふざけすぎじゃない!? 「ふざけてなんかいねーぜ?」 順平が急に真面目な顔つきになって言う。 「だってさ、ゆかりッチ。そんな訳の分からん影時間が残ってるっていうのは俺らの不始末だよ。センパイだけのせいじゃねーよな?」 ゆかりは少し驚いた。 順平も自分と同じことを考えている、ということに。 「だから協力するだのしねーだの、そんなのは一択だろ。俺らにしか出来ねーんだ」 風花も強く頷く。 「探索は私の担当だった訳だし、その影時間を見つけられなかったのは私にも責任があると思うんだ。だから勿論協力します」 アイギスはかちゃかちゃと腕の装備を点検し始めている。 「平和の戻ったこの町を守ることが私の役目です。彼が守ってくれたこの町を今度は私達が守るんです」 天田はスニーカーの紐を強く結びなおした。
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