1st Story

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やはりというかなんというか、見に行きたい気持ちが勝る。 奇怪な現象に、次があるとは言いきれないのだから。 「何でそんなに悩むのさ。料理なんていつでもできるでしょ」 行け。と里咲は掌を上下にひらひらと振る。 「ありがとう。じゃあ…行って来るね」 桜良の表情が明るくなり、やわらかな笑顔が広がった。 しかし、今の桜良はパジャマ姿だ。 さすがにパジャマで外に出ることはせず、クローゼットからフレンチコートを羽織る。 天海学園は制服だ。 中等部は学ランとセーラー服。高等部は紺のブレザー。 女子のスカートは下に太く白い線が入っている。 男子はネクタイ、女子はリボンの色が三年は濃緑、二年は濃青、一年は濃赤と色分けされているのだ。 だが今、制服に着替えるにはさすがに早すぎるだろう。 「行ってきます」 すでに桜良の顔には笑顔はなかったが、嬉しそうな雰囲気が体全体から見て取れた。 「いってらっしゃい」 桜良が出ていった後、残された里咲は窓に手を付いて呟いた。 「久し振りに見たなぁ…。桜良の笑顔」 桜良は感情が乏しい。 それがあのような笑顔になるほど嬉しがったのはなぜか。 .
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