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理由は桜良の持ち物を見れば明らかだ。
圧倒的にピンクと白の色合いが多い。
先程羽織って行ったコートも白地にピンクの縁取りのものだった。
「好きだもんね。イチゴミルクの色」
言って里咲はクスリと笑う。
桜と雪。まさに桜良が好きな組み合わせだ。
ふと、里咲は桜良の机を見る。
教科書や筆記用具が並んだ中に、写真立てが置かれていた。
透明なガラスの枠に、青いイルカの細工絵が施されているもので、ピンクと白の中に鮮やかな存在感を放っていた。
写真は、共に三十代後半だろう男女、そして高校生と小学五、六年生位の女の子が幸せそうに寄り添い、笑っているものだ。
「……」
写真を見た里咲の瞳が悲しく揺れる。
が、それは一瞬のことで、すぐに写真から目を離し、テレビを消す。
「さて、ご飯作ろ!」
気合いを入れて、どんなものを作ろうか。
変わったものもいいかもしれない。
明るく一人呟いて、里咲はキッチンへ移動して行った。
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