1st Story

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「っ?!」 桜良は何が起こったのか理解できず、ただ立ちすくむだけだ。 「あたた…足いったぁ~」 落ちてきたのはなんと、少年だった。 空中で体勢を立て直し、足で着地をしたが、その足を痛めたらしい。 しゃがみ込んで呻いている。 あちこち跳ねた髪はダークグレイ。白のパーカーに黒のカーゴパンツを着ている。 俯いて顔ははっきりとしないが、桜良よりも年下に思えた。 中等部の生徒だろうか。 「あ~。枝が折れちゃった。うぅ、カエちゃんにばれたら…」 気配を感じたのか、少年はそこまで呟いて、桜良に気付いたらしい。 「ええぇっ?!」 ガスッ! 桜良と目が合うと、飛ぶように立ち上がり、バランスを崩して頭を桜の木にぶつけて再び呻く。 「……大丈夫?」 気が小さいのか、驚き方が大袈裟だ。 .
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