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「そう! ヒノ、どうしよう~。どうしよう!」
少年は抱きつかんばかりに、青年に迫ってきた。
「なんだよ。近けぇし!」
青年は容赦なく、少年を引き剥がす。
「バレちゃった…かも」
「は?」
迫る勢いから一変。
俯き、ボソリと弱々しく呟かれた言葉に、青年は眉を顰める。
「だから、あの、あの子に…バレちゃった」
悪戯が見つかり、怒られる子供のように、恐々少年が見れば、ようやく言葉の意味が理解できたのだろう。青年の表情がサッと無くなる。
「ご、ごめんなさぁぁい」
泣く寸前で謝るが、
「はあぁぁ!?」
もはや、青年が愕然と怒りの混ざった声を上げる事を、止めることは出来なかった。
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