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桜良はベッドから下りると、テレビに歩み寄り電源を押した。
かすかにピッと音がして画面に色が、形が映し出され始める。
チャッチャッ…チャラチャチャ~ン…。
「おはようございます…」
大音量の軽快な音楽とともに、スーツ姿の男女が頭を下げる。
「…」
桜良があまりのうるささに眉をよせ、リモコンで音量を下げた時、
「う~ん?」
右のベッドからくぐもった声が聞こえてきた。
「何してんの…桜良」
もう片方の少女だ。
先ほどの音で、さすがに起きたらしい。
目を擦りながら、布団から顔を出す。
彼女は小川里咲(おがわりさ)。
肩までの明るい茶色の髪は軽くウェーブがかかり、目がパッチリとした利発そうな美人である。
桜良のルームメイトでありまた、桜良の大切な親友なのだ。
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