1st Story

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「起こしちゃった? ごめんね、里咲」 「…別にいいよ」 里咲は怒るに怒れない。 昨日最後にテレビを見ていたのは自分だ。 外に洩れないようにイヤホンを使っていた。 「まだ寝てて」 「ううん。もう起きるよ。今何時?」 まだ眠そうに目をこすりながら、里咲がベッドから下りる。 「だって、まだ六時前よ」 言いながら、桜良はテレビの画面を指す。 「えっ! マジ?」 「…フフ」 桜良は、テレビの左上に表示されている時計を見て固まった友人を見て、微かに笑う。 馬鹿にしたわけではない。里咲はいつも面白く元気だと思ったからだ。 「五時四十五分。ね」 顔を覗き込みながら桜良が言と、里咲は大きくため息を吐いた。 「七時頃だと思ったのに…早すぎ!」 「なんか、目が覚めちゃって…」 .
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