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さて、だいぶ落ち着いてきた。
そして、行くべき所も判明した。
俺はゆっくりしかししっかりとした足取りで悪魔の部屋のドアを勢いよく開ける。
「姉さんっ!!」
姉さんはひとしきり笑った後だったのだろうか目じりに涙をため、今来た遊び道具(俺)でいかに遊ぶかを考えているような顔をしていた。
「やぁ、流」
「『やぁ』じゃねぇだろ。」
「まぁまぁ。落ち着け、弟。学校で確認しない弟も悪いんじゃないか?」
「いや、悪くねぇよ」
「もし、本当にラブレターだったら……今ごろいたいけな少女が校舎裏で待ってたかもしれないんだよ!」
「いや、それは俺のミスだが今の問題と関係ないだろ」
「ほぅ、まだ盾つくと……。なら私にも考えがあるぞ、弟よ」
「いや、盾つくとか以前の問題の気がするんだが……」
姉さんは弟の言葉が聞こえないのか無視しているのか携帯を取出し何かやりだした。
「さて、成君にメール。『明日、ラブレターもらって流がキモイ顔してたこと流しといて』っと」
「えっ」
「送信完了。私のおかげで明日は人気物だぞー」
姉さんはそういうとコアクマンな笑顔をこちらに向けてきた。
正直もう怒るとかそういう以前の手際のよさである。
「はぁ。そろそろ俺で遊ぶのやめてくれ」
「ぶぅー。だったら私のために男持ってきて」
何てずうずうしい女なんだ。
「もしくは、ほんとに姉さんと付き合っちゃたりしてみる。ラブレターふぉーユー」
本当に何を言っているんだこいつは。頭がイってしまったのか。
あっ、元からか。
「冗談は顔だけにしてくれ」
「そういうこと言う子には夕ご飯作ってあげないよ」
「…………はぁ。わかったよ、お姉たま」
たぶん俺は自分で飯が作れない限り一生姉さんにはへりくだったままだろう。
こういうときに彼女が欲しいと思う俺は変なんだろうか。正常であると信じたいところだ。
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