『 桜 』

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  地下鉄桜通線と鶴舞線を乗り継いで伏見駅に到着した。そして改札口を通り抜けるまで地下鉄内に流れてた外国語のガイダンスを頭の中で真似ていた。 次々と地上から流れてくる沢山のサラリーマンの群れを颯爽と交わして階段を駆け上がる。 広小路通りに出ると、空は既に暗くなっていて幾台も流れる車のヘッドライトが眩しかった。 そして、待ち合わせ場所まで携帯電話を片手に歩く。でんきの科学館の前を通り過ぎ、信号を越えて右へ曲がる。前方には街路樹の隙間からプラネタリウムの建物が見えた。 “ブーブーブーブー" 手に持っていた携帯電話が震えた。受信メールは彼。私は立ち止まりメールを開く。  
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