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私の声に、秦は全く反応しなかった。
このままでは秦が死んでしまう。
私はカゴの出入口であろう、ドアらしきものを引っ張った。
もちろん固く閉ざされたそのドアは開きそうにもなかった。
早くしないと。
私は必死の思いでドアに体当たりをした。
けれど、ドアはびくともしない。
私は食事の入った器をドアに投げつけた。
「お願い、お願いだから開いて!!」
私は何度も何度も、ドアに体当たりした。
衝撃で肩から血が出ていたが、そんな事はどうでもよかった。
彼を助けたい。
どれだけの時間が経ったかわからない。
それでも私は何度もドアに体を打ち付けた。
体中が痛くても、やめなかった。
すると、突然ドアが激しい音を立てて倒れた。
私は勢いよくドアと共に倒れてしまった。
体が軋んで痛くて起き上がれないのを、気力だけでなんとか体を起こした。
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