カゴの中から聞く雨音は

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いつからだろうかなんて、覚えていない。 気が付いた時から、私はすでにこのカゴの中にいた。 生まれた時から? それとも、誰かにさらわれて? わからない。 わからないけれど、気が付いた時から、私はずっとこのカゴの中で生きている。 私にとっては、それが当たり前で。 ここから出ようと考えたこともあった。 でも、今はそんな気力すらない。 毎日このカゴの中で暮らす。 それが私の生きる道なのだと、自分自身に言い聞かせたから・・・。
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