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相変わらず、雨は降り続いている。
いつになったら止むのだろうか。
これだけ降って、外の世界にはなんの被害も起きていないのだろうか。
私は相変わらず眠れない夜を、そんな事をぼんやりと考えながら過ごしていた。
いつもより、夜の闇が深い気がして、私は窓に当たる雨から目が離せないでいた。
すると
いつもは日中にしか現れない秦が、なぜかひょっこりと私の元に訪れた。
「ごめんね、リリ。寝てた?なんだか心配になってね、様子を見に来ちゃったんだ」
そう言って柔らかく笑う彼の顔を見て、なぜだか私は、胸の奥がぎゅうっと握られた様な痛みが走った。
秦の言葉に答えないでいる私に近づき、彼はカゴにそっと手を当てた。
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