カゴの中から聞く雨音は

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突然 激しい雷の音が響いた。 それと同時に、見たこともない男の姿が見えた。 秦の方を見たけれど、彼も強張った表情をしているから、きっとこの男は知らない男なのだろう。 男の顔は、部屋の中が暗くてよく見えないけれど、手元にはなにかギラギラした物を持っていた。 あれは何? そう秦に問おうとした瞬間 男は、秦にぶつかった。 ぶつかったという表現は正しかったのか。 ともかく、いきなり男は秦の側に飛び込むように近寄った。 そして 男が離れた瞬間、秦はガクリと膝を落とした。
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