魔法

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休み時間、俺はエル達と離れ屋上に来ていた。 フェンスに手を掛け、校庭を見ると他の学年が魔法の練習をしている。楽しそうに魔法を使う姿を見て俺は自然にフェンスを握りしめていた。 ……俺も魔法が使えたら 最近はずっとそれを思う。 ガチャン そんな俺の後ろからドアの開く音がした。 「おうユーリ、ここに居たか」 入って来たのはネスト先生だった。 「俺に何か用ですか……?」 「な~にしけた顔してんだよ」 「別に……」 「そのネタは古いぞ?」 「…………」 「あっと、悪かった。用はそんなんじゃなかった」 先生はスーツの懐に手を入れると一つの地図を取り出し、俺に差し出した。 「何ですか、これ……?」 「お前専用の試験だ」 「はっ……?」 試験? 「場所はマナの森だ。内容はメモに書いてある薬草を採って来てくれ。必要な物はこちらで準備するから明日にでも出発しろ」 「ち、ちょっと待って下さい!?」
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