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…やっぱし…
目が覚めた俺が最初に思ったのは、それだった。
…しかも、よりによって姉貴がオチかよ…
確かに、夢だろうなぁって思ってはいたのだが、一番いいところで目が覚めなくてもいいじゃんか。
そんなことを考えていたら、ある違和感に気付いた。
…んっ! 顔になんか乗ってる?…
その違和感は、ちょうど俺の鼻の真上で、布切れみたいのが、かぶさるように乗っていた。
俺は、ニヤついたまま何も言わない姉貴を、不思議に思いながら、顔の上の布切れを手に取ってみた。
…マジかよ!…
その布切れは昨日、俺が履いていた靴下だった。
俺がそのことに気付くと…
「香ばしい薫りよねぇ、あんたの靴下‥」
と、初めて姉貴が俺に話し掛けてきた。
そして、
「その薫りで興奮するお前って、チョーキモいんだけど…」
そう言って、姉貴はニヤついた顔から一変、いまにも吐きそうな顔に表情を変えたのである。
そんな姉貴を見て、俺は
…寝言でも言ってたのか?夢の中身を姉貴が知るはずないのに…
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