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「あらっ!パパと違ってシャキシャキしてるわね」
「うーるせーよ!
それより、アナんとこの子は、何年生なんだよ?」
「うちは‥来週、入学式よ♪」
「じゃあ、うちと二つ違いだな」
そうやって、八雲と愛奈が会話してると、女の子が愛奈の袖をそっと引っ張って、
「ねぇ、ママ‥‥あそこで遊んでいーい?」
と、聞いてきた。
「いいわよ、遊んでらっしゃい♪」
愛奈は優しく言ってあげた。
それを見た八雲は、
「おい、お前も一緒に遊んでこい!」
と、男の子に声を掛ける。
「うん、いーよ」
男の子は返事をすると、先に向かった女の子のところへテクテク歩いていった。
2人の子供の行き先には、ちょっとしたキッズコーナーがあった。
そのコーナーには絵本や、ブロックなどが置かれている小さなスペースがあった。
そのスペースの中で、女の子は座って絵本を見つけて開いていた。
男の子はすぐ近くの、敷居のようなところに腰掛け、話し掛けるでもなく、ただ座っている。
そんな2人の子供を、温かく見つめる八雲と愛奈。
八雲は女の子の顔をマジマジと見ながら愛奈をからかった。
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