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「ねぇ!ママァ♪‥‥アタシねえ、‥‥慶介のお嫁さんになるの♪」
優衣のこの言葉に、愛奈は思わず…
「ハァッ!!!」
と、大声をあげ、目を丸くする。
それを隣で聞いた八雲もビックリして、
「慶介!‥お前、そんな約束したのか?」
と、つい大きな声で慶介を問い詰めた。
すると、
「うん‥‥僕、‥優衣を一生大事にするよ。‥‥ずっと、優衣のそばにいたいんだ‥」
慶介は、八雲にとって今でも憶えている、忘れられないセリフを言った。
その言葉を聞いた八雲も、愛奈と同様、絶句したまま言葉が出てこない。
代わりに出てきたのは、両目からこぼれる、大粒の涙と嗚咽の声だった。
そんな八雲に、つられて愛奈も隣で嗚咽を洩らしていた。
そんな2人の親を見た、慶介と優衣は、
「泣き虫の2人は、ほっといて‥桜並木を見に行こうか♪‥」
と、言い残して‥‥、
‥‥満開の桜の花が咲き誇る。
‥‥桜並木の先の、
‥‥木漏れ日の洩れる光の中へ、
‥‥仲良く、
‥‥手を繋いで、
‥‥駆けていった。
E N D
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