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着替えを終えたハルは急いでなっちゃんの元に向かった。
なっちゃんは体育館の下駄箱のところで、鼻歌を歌いながらハルを待っていた。
薄暗く、静まり返った体育館に聞こえる雨の音となっちゃんの声が、ハルをドキドキさせる。
(――今日は練習試合だったし…まだ緊張してんのかな)
この時ハルは、とりとめて深くは考えなかった。
「なっちゃん、お待たせ~。顧問の先生に雑用頼まれちゃってさっ」
もう体育館にはハルとなっちゃんしかいない。きっとだいぶ待たせただろう。なのになっちゃんは怒るどころか上機嫌で「いいよ!」と言った。
「むしろわたし的にはラッキーだったよ!」
「なにかあったの?」
ウキウキしたなっちゃんに、改めて可愛いとか思いながら聞き返すと、思いもよらぬ言葉が返ってきた。
「小森先輩と初めて喋れた!」
(……)
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