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今頃……どうなっているんだろうか。時刻は既に11時30分を迎えていた
雪ちゃんは本当にあの場所にいるんだろうか
それともあの時の言葉はただ熱くなって言っただけで本当は何とも思ってないんだろうか
俺の事なんて忘れて家で寝てたりするんだろうか
いや、そんな訳はない……雪ちゃんは泣いてた。深く傷ついたんだ
彼女のトラウマを俺が広げてしまったんだ
もしかしたらもう俺のこと嫌いになっちゃったかもしれない
別れよう……とか言われるんだろうか
そんな事ばかりが頭の中を巡る自分自身が嫌になる
雪ちゃんを信じる事も出来ない……俺が嫌だ
俺は本当に、雪ちゃんになんて言葉をかけたらいいんだ
雪ちゃん……本当にごめん
――――
20分前
「わぁ、綺麗……」
去年は此処で泣くはめになったんだっけ……
あたしは東京タワーを見上げられる所まで来ていた
綺麗なクリスマスイルミネーションの電飾が施された東京タワーは去年よりも綺麗だった
周りにはやっぱり思ってた通りカップルが沢山居て、皆腕を組んだり手を繋いだりしていた
「寒ぅ……」
あたしは冷える顔をマフラーで隠し手を擦りながら去年泣きつかれて座っていた場所にもう一度座った
「もう、一年になるんだね」
つい笑みが零れる
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