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周りの目なんか気にしてはいられなかった。我慢出来ず声を漏らした
まるで俺だけ一人別の世界にぽつりと居るようだった……
雪ちゃんとは喧嘩もあまりしなかったからか凄く心にもやもやが残り、しばらくため息をつくばかりだった
数十分そのまま頭を巡らせた俺はしばらくしてから学生時代からの友人に電話をかけた
「……喧嘩しちゃったんだよ」
「あぁー、あのクリスマスの子」
友達の雄一にはクリスマスイブに出会ったということを話すとクリスマスの子というネーミングを付けられ、それ以降雪ちゃんの事をクリスマスの子と呼ぶ様になった
俺は喧嘩をした理由や、彼女との一年前にした約束を雄一に愚痴る様に話した
ただこのもやもやした気持ちを晴らしたくて、スッキリしたいだけでした電話なのかもしれない
「それはしょうがねぇよ。やっぱり仕事を一番に優先すべきだ。彼女には可哀相だけどな」
「でも彼女凄く楽しみにしてて……きっと悲しんでる」
俺自身の口から言った言葉で悲しむ雪ちゃんを想像してしまい、涙が溜まった
「……お前ってさ、優しいよ。でもさ、そんな事言ったってもう24日の日は変えられないんだぜ。いくら言っても」
「そうだよな……」
「……何か出来る事ないのかよ、お前。約束したのはお前だ、彼女を悲しませた事は確かだぞ」
一つ案が浮かんだ。でも、そんな事じゃ雪ちゃんが喜ばないことは知ってるし……やらない方がいいかも知れない
でも……24日は彼女にとって凄く大切な日だ
俺は言ったんだ。お祝いするって、去年時計が0時00分の25日になった時に……
「雄一……ちょっと頼まれてくれるか?」
俺は雄一に頼みごとをすることにした
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