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嘘かと思った。確信があった訳じゃなかったけど、冬夜くんなんじゃないかって……思った
「……冬夜くん?」
「……の友達だけどね、雄一って言います」
やっぱり……嘘だった、嬉しかった反面ショックが大きかった
というより、影で顔が見えなかったせいもあってか、冬夜くんと冬夜くんの友達を間違えてしまった事の方がショックだった
「……」
「ぇーっと、今から俺の事を冬夜だと思って聞いてくれるかな?」
雄一さんはポケットから紙を取り出しながら白い息を吐いた
「……はい」
状況も良く分からないので渋々了承すると彼はあたしの顔を見てくすりと笑い、口を開けた
「まず、ごめん……雪ちゃん。やっぱりそこには行けない……約束の日だったのに、本当にごめんなさい。一緒に居る事が出来なくて……この数日間ずっと君の気持ち考えてたよ。……俺も雪ちゃんだったらきっと君と同じ事をすると思う。だから雪ちゃんは何も悪く無いよ、本当にごめんね……
……さぁ、ここでお話変わりまして~22歳のお誕生日おめでとう、雪ちゃん!もう君と付き合って一年だね。これといったマンネリもなくて、俺いつも凄く幸せだよ。三日で終わるとか言ったの誰だっけー?しかも今日はメリークリスマス!雪ちゃんは幸せ過ぎるぞ~、雪の日だけに……そんで……今日は~」
「もぅ……良いです」
「え?」
雄一さんの言葉をあたしは途中で切った
冬夜くんはちゃんとあたしの事を考えてくれてた……
冬夜くんのせめてもの優しさを胸に感じると涙が溢れた。その優しさが、今は辛いから……余計に会いたくなっちゃうんだよ
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