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ダメなんだね……冬夜くん。今日はもう会えないんだね
まぁ、あの喧嘩しちゃった日に直接口からもそう言われた訳だし……勝手にあたしが待ってただけなんだけど
確率が0になっちゃうとやっぱり辛いなぁ……
「綺麗だな~」
去年出会った場所。東京タワーの下で綺麗に輝く色とりどりの電飾に目を奪われる
東京タワーに目を向けながらさっきまで自分が冬夜くんのことを待っていた場所をあたしは通り過ぎようとしていた
「去年と一緒かぁ」
言葉にすると、少しだけ救われた。なんだか笑い飛ばせる気がした
でもやっぱり心の底では酷くがっかりしている自分もいる様だった
「あたしには、幸せは……掴めないのかな。去年も……今年も。なんかがっかりしてばっかしだ」
誕生日とクリスマスイブと初めての記念日……
冬夜くんが悪いんじゃないけど、あたしがいつもわがままなだけで……
なんてゆーか、世の中上手くいかないな。なんで仕事被んのよ!バカヤロー!
と心で叫ぶばかりだった
調度東京タワーを、約束の場所を半分くらい過ぎた所だった
背後から物凄い力強い大きな声が聞こえた
「……がっかりさせて悪かった!」
あたしは一瞬、体が固まりゆっくりと振り返った
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