恋ぱーせんと

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「へぇー美味そうな弁当じゃん!桜ノ宮ちゃん作ってんのー?」 「え、うん…まぁ」 周りの男の子達が私のお弁当を覗く 皆私のことを桜ノ宮ちゃんと呼ぶ サ・ク・ラ・ノ・ミ・ヤ・チャ・ン なんて8回も口を動かさなくちゃいけないのに面倒くさくないのかな 改めて翔くんにあだ名で呼ばれる理由がわかった、別の意味もあるかも知れないけど その時、私が男子がお弁当を羨ましそうに見ているのを見て閃いた そうだ、私が食べさせてしまえば…いいのかも おかずかご飯にでも埋め込んで… (お前犯罪者みたいになってきたな) (口出ししないんじゃなかったの?) (ヘイヘイ) でも、そんな…いきなり"あーん"するなんて… レベル高すぎっ… 周りの人の目を盗み毛を卵焼きの隙間に詰める うぅ…凄い罪悪感… これを食べさせるなんて… 「卵焼き美味そうじゃん!」 「…食べる?」 男の子Aが私に声をかけてくる 大丈夫、後二つある。そのうち一つに毛が入ってる 「てめ、ずるいわ!桜ノ宮ちゃん俺にも!」 「ふふっ…はい」 続く様にBも卵焼きを求めてくる 残り…一つ。 Cには…渡せないっ… 宮城くんに食べてもらわないといけないっ…
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