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《そして今回カメラを手にしていたAさんも自分の身にどんな危険が及ぶか分からないという事でスタジオに来ていただきました!》
《宜しくお願いします》
Aさん深く頭を三谷先生とやらに下げる
「Aさんモザイクかよ、声変えてるし…犯罪者か!」
テレビに笑い声を浴びせる。こんな完璧ヤラセみたいな番組が何故最近増えているのか自分には理解出来ない
霊媒師とAさんはそのまま個室へ移動しお互い向かい合い座った
《…あぁ、一部あの子の悪意の念を感じます…どうやら取り付いてしまっている様です。…ではまず私の念を送り混みますので、心を無にして目を閉じて下さい》
Aさん言われるがまま目を閉じる
霊媒師が何かをぶつぶつ呟きながら手をAさんの額に翳す
霊媒師が長々と呟いているとAさんが口を開いた。
《な…ん…で、ぼ…くを…捨て…た…の?》
《ごめんなさいね、君のお母さんは酷い人だけど大人全体を憎まないで?大丈夫…大丈夫だから、君はこれから成仏して幸せになるのよ?》
急に子供の言葉遣いになったAさんは涙を流しながら目を開いた
《どうでした!?大丈夫でしたか!?》
《もう大丈夫、あの子は貴方から抜けたわ》
《あぁっ…!ありがとうございました!本当にっ!》
Aさんは涙を流しながら深く頭を下げた
俺は気づけば鳥肌が立っていた
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