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教壇に立つとクラスの全員の視線が俺に注がれる。やっぱり気持ちのいいもんじゃないな。
何故か真鍋がこっちを見てガッツポーズしてる、何がしたいんだあいつ。
「えっと……藤ヶ谷鳴海です。得意な魔法は……」
そこで一旦言葉を切り、片手を頭上に挙げ
「スティフェン」
呟き、目の前にある教卓に向かって勢いよく手刀を振り下ろした。
まるで、大きな石がぶつかったような音と共に教卓は砕けプリントが空を舞った。
「……強化系の魔法です。一年間よろし『リペイアー』
俺のキメ台詞は海狩の呪文によって遮られた。
粉々になった教卓は元に戻り、散らばったプリントも教卓の上に戻っていく。
「おいおい、備品壊したら怒られんの俺なんだからな? もうすんなよー。そんじゃ、次」
いや、心配するのそこかよ……
こいつ本当に教師か?
軽く海狩に謝って、自分の席に戻った。
席に戻る途中、何人かの生徒がクスクス笑っているのに気が付きかなり恥ずかしかった。
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