錠子日記。いっさつめ

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四十五条家の一つ、九条家の直系の末娘。 やんごとなき、血筋のお嬢様。 高貴に五十を掛けても足らないくらい高貴な血筋だ。 私のような一般市民だと現代という土壌をスルーして平伏してしまいそうなくらいには高貴だ。 平安のころから名を馳せていたという四十五条家 ――正しくは、一条から九条までの名を冠す九つの家―― は、 畏怖と、 畏敬と、 畏縮と、 畏憚と、 畏懼と、 畏忌と、 畏怯をもってして接する事を余儀なくされる存在だ。 どこの国の代表だろうと、どこの宗教の教祖だろうと、四十五条家の前では無意味な肩書きに過ぎない。 それ程までに、圧倒的――。 だからこそ、滅多に表には出てこない。 表に出てくるのは、その圧倒的な力を見せつける時。 噂だと、超能力持ちだとか、宇宙人だとか、そんな風に言われている。
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