別れ

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「おはよ。さや」 「あ、サクラ。」 「慶大から連絡あった?」 さやが静かに首を振る 「やっぱり…」 昨日は慶大ママに伝えたもちろん動揺してたし、慶大を心配してた。 でも、私達を責める事はしなかった。 「もう少し強く止めてれば…」 さやがボソッとつぶやいた それは、わたしも同じ気持ち きっと、キヨシだって… ふと、キヨシをみると心なしか寂しそうにみえる 「きっと、見つかるよ。ほら、よくあるじゃん遭難して野宿して、見つかるパターン」 明るく私がいうとそうだね、 と寂しく笑った。 ―お願い、見つかって…帰ってきてよ…。慶大。 しかし、願いもむなしく慶大が見つからないまま夏がおわり、秋が過ぎ、冬を越え、春を迎えた。 私達は中学校に入学した本当はうれしいはずなのに… 「慶大の学ラン、見たかったね」 「ん…。」 どんなに季節が過ぎても慶大を忘れない。忘れられない。 でも、認めなくちゃ、 慶大は…いない。
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