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ガチャッ…キイッ…
ゆっくり扉を開く。
できるだけ静かに。気付かれずに。
自分の部屋に直行!と考えていた。
部屋には何故か鍵も付いてるし。安心。
靴をそろーっと脱ぎ、並べ揃える。
愛美の靴以外にも無造作に色んな所に置かれていた。
見覚えのない靴が…。【浩】さんの…?
いっぱい靴持ってきたんかな…とか考えながら一応揃える。
愛美の家は玄関から入ったら
真っ直ぐに階段があり、その上に部屋が四つあって
二つの内の一つはお母さんの部屋。その隣が私の部屋。
もう二つは特には使ってない。
多少の物置きとか友達が泊まりに来た時用に使ってた。
女手だけで暮らしてきたわりに広い家なんだと友達に言われて気付いたけど
お母さんはバリバリ仕事する系の人だから稼いでるのかな?なんて
金銭面には疎い中学生のしかも私みたいのには
特に不思議には思うこともなかった。
玄関から左にはお風呂、トイレ。
右はテレビなどがあるリビング。
階段の奥にはキッチン。
「…ふぅ」
改めて小さく深呼吸をし、靴の整頓も終わったところで玄関から階段の方へ向き直る。
「っ!!??」
愛美の叫びにならない声の理由
それは
にっこりと笑ったとても端正な顔立ちの
かっこいいとしか言いようのない男の人が
目の前に立っていたからだった。
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