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「っ…“黒髪のお兄ちゃん”と“茶髪のお兄ちゃん”が
そんなに私に構わなければ…気絶なんて…しっしないです…よ…」
勇気を振り絞った。
さすがに二人の顔を見ては言えなかったが。
言いたいことを言えて胸を撫で下ろしていたのに
伝わって欲しい言葉の、構わないで、じゃなく
二人は違うところに興味を示した。
「…はは…“黒髪のお兄ちゃん”って。
そういえば名前言ってなかったっけ」
「ごめんごめん、自己紹介もまだだったね」
悪い悪いと言うように笑う二人。
二人は愛美の答えた呼び方が気になったらしい。
「え、いや…そこじゃな…」
そりゃもちろん名前も知りたいけど…
今の言った大事なとこそこじゃない…
いくら美味しい状況だといえどスキンシップっていうか
距離感は少しずつ縮めてもらわないと…
ゆっくりじゃなきゃ私緊張で体がもたないよ…。
軽く半べその私を無視して二人は続ける。
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