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「いやいやいやいやいや。やいやいやい。お母さん?え?え?なんて?」
意味が全くわからないよ。何度でも聞き返しますよお母さん??笑
「だーかーら、お母さんの代わりに親戚のお兄さんが来て
愛美のお世話をしてくれるのよ!
それだから迷惑かけないでって言ったのよーもう」
『当たり前でしょ』みたいに言われると
軽くカチンとくるけどとりあえずそこは置いといて。
そんな簡単あっさりすぎる説明聞いても
理解も納得もできるはずないんだけど
それよりも、私はそのとてつもなく嬉しそうなお母さんの表情が
気になって仕方がなかった。
「何がそんなに嬉しくてそんなに笑ってるの?」
私の質問にお母さんは顔色ひとつ変わらない。
「えー、そんなことないわよ?大好きな愛娘と一緒に暮らせなくて
とても寂しい悲しい気持ちでいっぱいなんだけどね~…そう見える?」
あらもうやだ~?キャピッ!みたいな。
なんかもう口調も顔も全然寂しそうに見えないんですけど…?
てか本当にこの人(お母様)疲労溜まってんのか…?ってレベル。
元気すぎるハイテンションなすぎるお母さん。
倒れた病人には見えないスマイル。
いいことなんだけど、けど、今は素直に喜びづらい。
「お母さん本当に病人…?もう元気じゃんお家に一緒に帰ろう…?
家事は私やるからさ…わざわざ入院することないし
親戚のお兄さんとかもいらんやん…まま元気やん…ね…」
私が思ってること全部口にすると
「何言って…ゴホッゲホッ…あぁ…おぇ…あぁ、苦しい…
これはもうしばらく入院して安静にしてないと…」
まさかのお母さん…。急にわざとらしい…。
めっちゃ呆れ顔の愛美だったが
お母さんは「あなたのためなの、愛美。」と
急に真剣な表情に変わった。
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