98人が本棚に入れています
本棚に追加
<キンコーンカンコーン>
咲野「ん~、ふわぁ~」
数学の授業って、な~んか眠くなるんだよね…
咲野「お弁当食~べよ」
…と教室の外で彼が読んでいる。
相原「咲野さ~ん」
咲野「あっ、相原君!!」
私は開きかけたお弁当箱を閉じる。
相原「今日はテラスで食べない?」
咲野「いいお天気だし、そうしよっか~」
-テラス-
相原「う~、食った食った」
そんな彼を見ていると心も満腹だ。
咲野(結婚したら、食卓を挟んで、毎日こんな気持ちになれるのかな…)
食後のお茶を飲んでいる彼を見ながら、私はちょっと想像する。
食後のデザートを食べながら楽しく会話している彼と私…
咲野(そうだっ!!)
あることを思い付いた私は彼に話しかける。
咲野「ねえ、相原君」
相原「ん?」
咲野「今日の放課後って時間ある?」
相原「あるけど…どうかしたの?」
咲野「ケーキ屋に行かない?」
相原「ケーキ屋?」
咲野「うん、ものすごく美味しいって評判なんだ~」
相原「へぇ~、それは行ってみたいなぁ」
咲野「じゃ、決まりだね」
相原「うん、じゃあ…いつもの所で」
咲野「オッケー」
<キンコーンカンコーン>
咲野「え?もうそんな時間?」
相原「話してると、すぐ30分なんてあっという間だね」
咲野「ホ~ント、早いよね~」
今までなら昼休みはユニホームに着替えて、ひたすらボールを追いかけてた。
彼と過ごすことで、そんな日常も変わりつつある。
相原「教室戻ろっか?」
咲野「うん」
私は彼と話しながら校舎に入って行った。
第一章「テラスでの約束」終わり
最初のコメントを投稿しよう!